便秘はプチ断食で解消できるのか?
断食というと何かの修行のようなイメージですが、
プチ断食は半日や1日、または週末だけ行う健康法の一つです。
短期間だけ行うプチ断食は、手軽に行える上にうれしい効果が期待できることから、
人気が高まっています。
女性に多い便秘もプチ断食を行うことによって解消できるとなれば、
一度挑戦してみる価値はあるかもしれませんね。
では、断食をする際に起こる体の変化や注意点などについてみていきましょう。
腸が健康の元という古くからの考え
中国三大宗教のひとつ、道教のことわざに「長寿が欲しければ常に腸を清潔にすべし」というのがあり、中国では昔から腸を健康の土台として重要視する考えが広まっていたためか、便通を良くする食材、たけのこ、くるみ、松の実などが食べられてきました。
日本でも古くから食養の世界で、以下のような考え方が共通認識としてあります。
『腸は免疫の要であり、解毒・排毒の要であります。栄養の吸収を行うのは腸であるし、腸内細菌による栄養の生合成も行われています。血液の源は腸に由来すると言っても過言ではないので「腸こそが生体の要である。」』
近年の研究でも、腸は健康に大きく関係することが解明されており、
腸が不健康だと便秘・肌荒れ・アレルギー・疲労感・
口臭や体臭・冷えなどいろんな身体の不調が出てきます。
健康のカギを握っているのが、約1000兆個あると言われる腸内細菌。
善玉菌、悪玉菌という言葉は知らない人はいないくらい有名になりましたね。
では、どのような状態であれば「キレイな腸」と言えるのでしょうか?
腸内を酸性にし、外から襲いかかる有害な菌をやっつけてくれたり、免疫力を高めてくれる“善玉菌”。
腸内をアルカリ性にし、腸内を腐敗したり、発がん物質や毒素のある有害物質を作り出し、
身体の抵抗力を弱めたり下痢や便秘を引き起こす“悪玉菌”。
状況において善玉に加勢したり、悪玉に加勢したりするのが
“日和見(ひよりみ)菌”そして、この3種類のバランスが整っていればキレイな腸といえます。
理想のバランスは悪玉菌よりも善玉菌が優勢な状態であることで、
善玉菌には悪玉菌を抑える働きもあります。
そして、もうひとつ忘れてはならない腸をきたなくするものに「宿便」があります。
宿便とは、長期にわたり腸壁にこびり付いているウンチ(便)のことで、
この宿便があると善玉菌が繁殖できず悪玉菌が繁殖し、腸内が悪玉菌優勢になります。
便秘と宿便の違い
便秘も宿便もどちらも腸の中に便がたまっている状態ですが、似ているようで実は大きな違いがあります。
では、便秘と宿便は何が違うのでしょうか?
便秘とは、一般的には3日以上お通じがない状態や排便が困難な状態のこと。
週に1回しかお通じがなくて、常にお腹が張っているのに出ない…といった場合は、明らかに便秘です。
しかし、毎日お通じがあってもお腹が張ってスッキリしないなどの残便感があれば、
それもまた便秘といえます。
逆に、3日おきにしかお通じがないけれど、
それが自分のペースだから特に不快ではないのであれば、それは便秘ではありません。
要は、不快な状態なら便秘だし、不快じゃなければ便秘ではないという、感覚的なものなのですね。
一方、宿便とは、便秘によって腸の中に長い間たまっていた便のこと。
滞留便とも言います。
宿便というと腸の内側にこびりついているようなイメージを持つ方も多いですが、そうではありません。
大腸の壁は粘膜で滑りやすくなっているため、便がこびりつくということはあり得ません。
実際に内視鏡で腸の中を見ても、そのような宿便はないというから驚きです。
「ヘドロのような宿便が腸の内側にべっとりとこびりついている」などというのは、
勝手なイメージだけのものだったのですね。
つまり、宿便とは、単に排出されずに腸の中にたまっている便のことにすぎないのです。
※先ほど「宿便が腸壁にこびりついた便ではない」とお伝えしましたが、
それは現代医学的な検証結果です。
断食の古い歴史書などには”体内の細胞の中に蓄積されていた毒素(病気を引き起こす元となるもの)”が、
断食を継続することで普段は開かない細胞の蓋が開き、中の毒素を排出する!
その毒素が排出される間に凝固化(便化)して黒いゴロゴロした物体で出てくるというものがあります。
私はあくまでも主観ですが、実際に超にへばりついていたような便ではない
真っ黒な宿便を体験したことがあります。
1日の断食で便が変わる?!
宿便を取りのぞき、腸内をキレイにするのにお勧めなのが断食です。
腸が美容と健康に大きく関係していることが近年話題になっていますが、
実際のところ腸のことを考えて生活している人は少ないのではないでしょうか?
腸は第二の脳とも言われ、単なる消化器官ではなく、美容と健康を保つための重要な臓器です。
そんな腸が汚れていては、どれだけスキンケアを頑張ったり運動をしたりしても、
いい結果を出すことはできません。
断食というと、1週間ほど水だけを飲んで、
食べ物を一切食べない修行のようなものをイメージされる人もいるかもしれませんが、
そんなキチンとした断食ばかりではなく、
2~3日だけ断食をするプチ断食や酵素ドリンクを飲みながら行うファスティングがあります。
1日断食するだけでも、腸内に溜まった宿便がどっさり出てくることがあります。
過食などで腸に負担をかけて調子が悪くなると、
腸が正常に働かなくなり、ウンチ(便)を外に送り出すことができなくなります。
よって宿便が増えていきます。
断食をすることで、その間消化吸収をする必要がなくなるため、腸を休ませることができます。
休むことによって調子を取り戻した腸は、
ウンチを外へ送り出すことができるようになるため、宿便を出すことができるようになります。
普通のウンチ(便)はバナナ状をしていることが多いですが、
断食中にでるウンチはひだひだのある腸の形をしています。
そして表面がテカテカと黒光りをしています。これが宿便です。
早い人なら断食1日目から宿便が出てきます。
体内の余分なものをそぎ落とすのが断食
必要な栄養素が体に取り込まれ利用された後、最後に残る不要物が毒素です。
腸で発生するガス、尿素、尿酸、アンモニアなどがあります。
その他に、食物や化学製品、残留農薬などに含まれる、体の外から取り込まれている毒素があります。
重金属、ヒ素、カドミウム、アルミニウム、鉛などです。
どんな生活をしていても、このような体内に余分なものは作られていくので、
どれだけキチンと出せるかが重要です。
先に述べた宿便の中にも、たくさんの毒素が含まれています。
断食をすることで腸内環境を良くすると、宿便の中に含まれていた毒素も排出することができます。
言わば体内の余分なものをそぎ落とします。
体内にあった余分なものを排出することで、身体の不調が緩和されるだけでなく、
ダイエットや肌細胞のターンオーバー促進などの良い面がたくさんあります。
あなたも、修行のような厳しい断食をする必要はありませんから、
2~3日のプチ断食、いや1日の断食でも一度お試しになって、
宿便を取って腸壁をキレイにし、美容と健康を手に入れてください。
断食時は必要な栄養素を摂って栄養不足にならないようにする
断食時だからといって、一切何も口にしないわけではありません。
水分だけとっていれば大丈夫と思う方もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。水だけを飲んで断食する方法は、決しておすすめできる方法ではありません。
必要な栄養素を摂らずに断食すると、栄養不足になってしまうからです。
では、断食の時に必要な栄養素とは、どのようなものでしょうか?
まず、糖質(炭水化物)や脂質は普段から摂り過ぎていると考えられていますから、
断食中は摂る必要はありません。
糖質や脂質の代わりに体脂肪からエネルギーが使われますから、摂らなくても問題ありません。
たんぱく質は普段なら必ず摂取した方が良い栄養素なのですが、たんぱく質は消化に時間がかかります。
断食中は胃腸を休ませることが大切ですから、たんぱく質の摂取も控えましょう。
しかし、ビタミンとミネラルは体に必要な栄養素です。
栄養不足にならないように、ビタミンやミネラルは摂りながら断食するのがおすすめです。
断食時に必要な栄養素を摂ることができ、
しかも胃腸には負担をかけないものが理想ということになりますね。
この条件を満たすものといえば、酵素ドリンクではないでしょうか。
酵素ドリンクがプチ断食におすすめだという理由は、ここにあるようです。
手軽にできて、しかも便秘の解消が期待できるプチ断食。
腸の大掃除もできるから宿便もスッキリと良いことずくめのようですね。
断食すると誰もが便の変化に驚くと聞けば、ますます試してみたくなります。
しかし、必要な栄養を摂りながら断食しないと、栄養不足になってしまうので注意が必要です。
プチ断食をする時には、酵素ドリンクで栄養を摂りながら行うのが安心ですね。